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神戸摂食嚥下支援NET

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頸部聴診法の実際と病態別摂食嚥下リハビリテーション 〜頸部聴診法完全習得と間接訓練・カニューレ対応〜

                     頸部聴診音を記録したVF・実写動画80本を供覧します

VFのない施設では、情報収集・観察所見・頸部聴診法などで総合的に評価するしかない。
・パルスオキシメトリ(サーチレーションSPO2測定)で誤嚥を評価することは容易ではない。
・誤嚥性肺炎の診断基準だけで、肺炎の原因を誤嚥と確定することはむずかしい。
・少量の誤嚥があっても肺炎を発症しないケースでは禁食にしないのも一案。
VF検査で誤嚥がなかったのに食事を出すと誤嚥性肺炎を発症してしまうことがあるのはなぜ?
・吸引しても痰や唾液がとれないのはなぜ?
・頸部聴診法は嚥下病態を判断するための情報を与えてくれる。
・「咽喉マイクと拡声器」を利用すると、両手が自由な状態で聴診音を聴くことができる。
嚥下前に湿性音が聴取されるときは嚥下反射が遅延している。
頸部聴診法で食道咽頭逆流がわかる。
嚥下後の湿性音 Aギュという異常な嚥下音 B複数回の嚥下音 C小さい不明瞭な嚥下音 などが聴取された場合は咽頭残留が示唆される。
バブリングサウンド(泡立ち音)は咽頭内逆流が疑われる。 
頸部聴診法で食道入口部開大の左右差がわかる。
・カニューレ挿入深度を深くすると腕頭動脈を損傷することがあるので注意する。
・カニューレのカフは本来人工呼吸器使用時に患者の気道内圧を保つためのものであり、誤嚥物の気道道内流入を防ぐ効果は副次的なものである。
・カニューレのカフは自然に脱気するので、時々空気を入れなおす必要がある。
カニューレ留置患者の誤嚥は 「Blue Dye Marker法(ブルーダイテスト)」 で評価する。
カニューレ患者への間接訓練について、喉頭の挙上訓練を施行したいが、メンデルソン手技やシャキア法などは気管を傷つける、肉芽形成を誘発してしまうなどのリスクがある。カニューレからウィーニング(離脱)するための訓練を間接訓練と考えましょう。  
・直接訓練でカフを膨張させるか脱気するかはケースバイケースです。
・仰臥位やリクライニング位で長期間過ごすと、体節がそれぞれに独立した重心を持っている状態になり、頭頸部や肩甲帯は、自重で落ち込んだ状態(伸展位)になる。
・頸部と肩甲帯の伸展位は舌骨筋群を伸長し生体長より長くするため、筋出力の効率が低下し喉頭挙上が不十分となる。
・リクライニング位で食べるデメリット → @処理能力を越えた量の食物や水分が咽頭へ流入する A舌根沈下による呼吸障害をまねく B枕だけを高くすれば、肩甲帯は伸展してしまう
・リーパッドは舌骨筋群を生体長に整え、喉頭挙上の阻害因子を緩和する。
・口腔ケアだけでは不十分、最も大切なのは咽頭ケア!
・メンデルソン法を患者自ら行うことは難しい。セラピストが他動的に行うと舌骨下筋群のストレッチになってしまう。
・喉頭挙上障害には最大開口最大挺舌・ファルセット法が良い。
・従命困難な患者に施行できる間接訓練は頸部可動域訓練や呼吸理学療法などにかぎられる。
・バルーンカテーテル間欠的拡張法はこうすればできる。
・咽頭収縮不全には舌前方保持嚥下法(Masako法)を施行する。

【コンテンツ】
@摂食嚥下障害の評価
誤嚥性肺炎の診断基準  何をどれくらい誤嚥するか  評価の流れ  反復唾液嚥下テスト  改訂水飲みテスト  水飲みテスト  食物テスト  パルスオキシメトリ  VF  VE  VF検査の短所

A頸部聴診法の実際 
聴診器と聴診部位  咽喉マイクと拡声器  頸部聴診音の生理学  機能障害と嚥下病態の連鎖

B頸部聴診法の判定指標

咀嚼音  嚥下前の湿性音  嚥下反射の判断  小さく不明瞭な嚥下音    嚥下時のギュッという異常音  バブリングサウンド   複数回の嚥下音  嚥下後の湿性音  呼吸や嚥下に同期しない異常音  横向き嚥下時の左右差  頸部聴診法の信頼性  頸部聴診法で評価してみよう

Cカニューレ留置患者の嚥下評価とアプローチ法  

Blue Dye Marker法(ブルーダイテスト・着色水テスト)  気管切開・カニューレ留置の影響   カニューレと誤嚥  カフに関する問題点  間接訓練はどうするか?  直接訓練はどうするのか?  カニューレを抜去する条件  カニューレサンプルで構造を確認

D姿勢と摂食嚥下障害

舌骨上筋群と舌骨下筋群  頸部伸展の影響  肩甲帯伸展の影響  肩甲帯の評価と訓練  リクライニング位のメリットとデメリット  嚥下補助パッドLEA.Padの効果

E嚥下病態別アプローチ法

○共通訓練(口腔咽頭ケア、頸部可動域訓練、呼吸訓練、声門閉鎖訓練、従命困難な患者への対応) ○先行期障害のアプローチ法(食物認知障害、拒食、レビー小体型など)  
○準備期障害のアプローチ法 (咀嚼困難、食塊形成困難、口唇閉鎖訓練、クチトレ)  
○口腔期障害のアプローチ法 (送り込み困難・早期咽頭流入、メトロノームを使った舌運動、舌抵抗訓練・舌引き込み訓練)
○咽頭期障害のアプローチ法(鼻咽腔逆流、ブローイング、軟口蓋寒冷刺激法、嚥下反射遅延、冷圧刺激、サブスタンスP、酸味刺激、安静時喉頭低位、喉頭挙上障害、メンデルソン、シャキア、閉口位最大開口訓練、ファルセット法、咽頭収縮不全、前舌保持嚥下訓練、バルーンカテーテル法)  

○食道期障害のアプローチ法(体位調整)      

【スライド紹介】